長崎くんち 後日(あとび)


長崎くんちの三日目は朝8時前に諏訪神社の石段下へ出動。ここ諏訪神社が良くニュースなどでも紹介されるくんちの本馬場中の本馬場。7日と9日の朝に踊りが奉納される。そしてこの奉納踊が今年最後の本場場での踊りとなる。もちろん桟敷席はとっくに売り切れだが当日の朝に行っても石段上の立見席なら1500円で入る事ができる。しかし石段の下をうろうろしていると踊町の舞台裏や傘鉾、船などがほんとに目の前で見られるのでこれもなかなか楽しいのだ。もちろんタダだし。
 
 
 
各踊町の先頭を切って登場するのが傘鉾。言ってみれば町のプラカードみたいもんか。それぞれに特徴あるデザインで見ていてなかなか面白い。どれも100キロを超える重量らしいが桶屋町の象が乗った傘鉾は150キロもあるらしい。200年前に作られた物で象の鼻も下の和時計も動くからくり仕掛け。これを一人が担いで歩きぐるぐる回る傘鉾師は凄いったらありゃしない。転んだりしたらえらいこっちゃ。
 
 
船はお囃子の子供達を乗せたままガタンガタンと石段を下る。乗ってる子供達も大変だが5トンもある船が滑り落ちないように上から引っ張るのも大変だ。
 
最後に登場するのはやはり鯨の万屋町。傘鉾は魚尽くしの長崎刺繍。7年後に向けて幕を新調するらしいが刺繍だけでも数年かかるらしい。
前日の鯨は春の鯨だったが今日の鯨は冬の鯨とのこと。すでにつかまって網に取られている。船頭の子供達が乗る船も綿で雪化粧。
 
 

鯨の鰭と切り身があるのも面白い。扉が開いて中から人が出てきたので覗いてみたら中にはちゃんとシートがある。定員2名。これからの舞台に備えて身体と潮吹きタンクに水分補給したらいよいよ最後の本番だ。
 
やはり最後だけに今日一番の盛り上がり。何度もアンコールを重ねた末にようやく七年に一度の大舞台を終え鯨が石段を下る。石段の下で鯨に追いつくと祭男達は抱き合って男泣き。「ばっかもんが!泣くのはまだ早か!まだあと半日あると!」と叫ぶリーダーの目にもちょっと光るものがあって見てるこっちもぐっと来る。
 

この後彼らは夜9時くらいまで続く最後の庭先回りに向かうのであった。やっぱりいいねえ長崎くんち。来年も二日間は連休と重なるしまた今年にも増して派手な出し物が登場するらしい。こりゃやっぱり来なけりゃなあ。