長崎くんち 前日(まえび)

長崎くんちは毎年10月の7〜9日、初日からそれぞれ前日(まえび)、中日(なかび)、後日(あとび)と呼ばれる。今年はたまたま三連休とぴったり重なったため観光客も多いようだ。奉納踊りは三日間に4箇所の踊り馬場で延べ9回行われる。桟敷席はほとんど4人席のマス単位の指定席で販売されるが、7日の夕方と8日の朝に行われる公会堂前広場の踊りだけは1人単位で買えて全席自由席の上「チケットぴあ」でも買えるから県外から個人で行く場合には買いやすい。もちろん事前に買っておかないと売り切れますけどね。
7日夕方の公会堂前は4時開場予定で5時開演。昼飯食べてホテルに荷物を預け2時半頃に公会堂前に行ってみるとすでに開場を待つ行列が。

この調子だと早めに開場するんじゃないかと仕方なく並んでいると案の定少し早めに開場され座席の争奪戦が開始。どうにか真正面の中段くらいを確保、やれやれ。

長崎くんちの踊町が各町に回ってくるのは七年に一回。つまり七年通わないと全ての町の出し物を見る事はできないのだ。今年出演する踊町は六つ。
桶屋町 本踊
船大工町 川船
栄町 阿蘭陀万才
本石灰町 御朱印
丸山町 本踊
万屋町 鯨の潮吹き

踊りも含めてバラエティ豊かな出し物が並ぶところが長崎くんちの魅力。まあどうしてもただの踊りよりは派手なだし物に注目が行ってしまうんですが。
川船は毎年どこかの町が出しているがやはりそれぞれ少しづつ違うらしい。今年の船大工町は紅葉が乗っているのが特徴か。船頭さんの衣装も金糸の長崎刺繍で伊勢海老があしらわれたド派手なもの。



御朱印船は5トンあると言う巨大な船。江戸初期の長崎の貿易商、荒木宗太郎がベトナムの王女を妻に迎えた時の様子を再現したもの。鮮やかな朱色の巨船の豪快な曳き回しはやはり圧巻。


そして最後を飾るのは今年の一番人気、長崎くんちの数ある出し物の中でも異彩を放つ鯨の潮吹きだ。まずは囃子方が乗り込む納屋と5隻の船が登場し親船頭の男の子が高らかに唄い上げるといよいよ大鯨が登場。鯨からは空高く潮が噴きだしその鯨を男達が「ヨッシリヨイサ!」の掛け声も勇ましく縦横無尽に曳き回す。



こりゃすごい。観客も「ヨッシリヨイサ!」の大合唱。総立ちで「モッテコーイ!モッテコイ!!」。(つまりはアンコールって事)演じ手と観客が完全に分かれている祭りではあるが演じ手と観客とが一体になって盛り上がるのが長崎くんちの醍醐味ですなあ。今年のくんちもよかば〜い。

たっぷり3時間くんちを満喫した後は思案橋に戻り雲龍亭の餃子から一二三亭の牛かん、おじやと続く我が定番コース。



一二三亭の玄関にも家紋入りのまん幕が。やはり何となく浮き立つ気分の祭りの夜。