長崎くんち 中日(なかび)

今日はくんちの中日。朝から二ヶ所の踊馬場で奉納があるが、その後はそれぞれの踊町は長崎の街のあちこちを流す庭先回り。昼過ぎからはこちらも街を歩いて庭先回りを追っかけ見物する事に。どの町が何時にどこを通ると言うスケジュールは一応発表されているのだがこの時刻がほとんど当てにならない上に、町名を見てすぐに場所がわかるくらいの土地勘がないとなかなかコースが予測できない。というわけで結局は何となくあたりをつけて街を歩きながら五感を働かせて探すしかない。
細い商店街に入り込んで歩いていくと何となく人が多くなり「これは!?」と思って進むと鉦と太鼓の音がかすかに聴こえてきてビンゴ!細い道幅ギリギリに川船がやってきた。


先導する町の方々は紋付き羽織に山高帽、尻はしょりして唐人パッチと言う庭先回りの正装。これぞ長崎くんちだねえ。各家々に踊りを呈上して回り、その家は「花」と書かれた紙を渡すのがしきたり。この紙に名前を書いておき後日御祝儀を渡すらしい。一行にしばらく付いて歩き、次は鯨を探しに行く事に。

しばらくあたりをぐるぐると探し回るうちにようやく鯨に遭遇。狭い道でも絶えず潮を噴き上げ続けているから祭りの若い衆はみんなずぶ濡れだ。鯨の中には人が入っていて手押しポンプで水を噴き出すそうだがその高さは二階の屋根をも越えるほど。





近くで見る鯨はその造型のデフォルメ加減がなんとも面白い。ちょっとやらしい三日月形の眼が面白いしなぜか赤い唇が印象的。子供達に曳かれた子鯨もいる。「よっしりよいさ」の掛け声はついつい一緒に口ずさんでしまう不思議な魅力がある。

そして御朱印船。今年の出し物の中ではやはり一際大きい。オランダ東インド会社のVOCマークを上下逆さにした紋章がカッコイイと思ったら元々はアルファベットを知らなかったもんで尖った方を上にしただけらしい。言ってみれば海外で良く見かける裏焼きになったひらがなみたいもんですかね。



長崎くんちではお囃子の鉦太鼓は全て子供達が担当する。船に乗るのもみんな子供達。この子達が7年後には船を曳く側に回って祭りの伝統が受け継がれていくんでしょうなあ。