戸畑祇園大山笠@北九州市戸畑区

毎年7月第四土曜日をはさむ3日間を中心に行われる戸畑祇園大山笠。博多で聞いてもあんまりみんな知らないんだけど国指定重要無形民俗文化財博多祇園山笠、小倉祇園太鼓とともに福岡県の夏の三大祭という事になっているらしい。
 
山笠は東、西、中原、天籟寺(てんらいじ)の四つでそれぞれに大山笠と小若山笠がある。昨金曜夜に飛幡八幡宮に全ての山は集結。今日は昼から神輿を先頭に全ての山笠が動き出す。
 

昼の山笠は幟大山笠。山笠の上には長いノボリが12本立っている。前方には菊の花のような飾りが四つ。見送りには大きな笠のようなものが。これが山笠の語源か?知らないけどさ。
 
この状態で1.5トンというから博多の山笠と比べてもかなり重い。そして棒は二本しかないので一本の棒を両側から挟みこむようにして担ぐ。大人の山笠はまだいいけれど中学生の担ぐ小若山笠はちょっとふらふらしたりして脇の屋台に突っ込みそうで見ていてちょっとハラハラ。

そして山笠の隊列は小走りくらいの意外に早いスピードで商店街を抜け、お汐い汲みのために若戸渡船場近くに再び集結する。若戸大橋をバックに並ぶ山笠はなかなか壮観。



やがて夕方全ての山笠は夜の山笠競演会のために戸畑区役所近くに戻ってきて待機に入る。山笠の近くには提灯が並べられる。戸畑の山笠は昼の幟山笠から夜には提灯山笠に変身するのだ。
 
予定では競演会は5時半開始のはずなのに、いつまでたっても何の動きも無いまましびれを切らしていると6時半頃になってようやく競演会の開会式とやらが始まる。なにやらいろいろな挨拶の後祇園囃子の披露があり7時を過ぎた頃ついに山笠が動き出す。区役所脇の公園の周りを何周かして夕闇がどんどん迫るといよいよお待ちかねの変身タイム。
 
飾りや欄干など全ての物を取り外され台だけになった裸状態の山笠の上に四本の柱が建てられていく。男達がとび職並みの動きで柱に登り骨組みをみるみる組み立てていく。そして号令に合わせ大小八台の山笠にピラミッドの頂点を形成する五段分の提灯を一気に柱の上に乗せる。これが五段上げといわれる最大の見せ場。一瞬ぐらっと傾いたりして周りから歓声も上がるが見事に全て成功してやんやの喝采
 
 
五段上げの後はその下の提灯がどんどん付けられていきあっという間に夜の提灯大山笠の完成。この2.5トンにもなるという大山笠が公園の周りの周回コースを走り回る姿はなかなかに素晴らしい。
しかしパーツを取り外して分解して変身するなんて昔のロボットアニメみたいで面白いですねぇ。これで大山笠と小山笠が合体したりしたらさらに面白いんだけど…。それにしてもなかなかの見ものであります。
博多、小倉、戸畑の祇園祭はそれぞれ全く違ってなかなか興味深いですねえ。