千束@高砂

AND2006-04-05

渡辺通り沿い、那の川交差点近くの千束(ちづか)。ぬか床料理の店というのは珍しい。メニューは昼は1000円、夜は2000円の定食一種類のみ。メインのぬか床炊きは肉か魚が選べ他には野菜料理の小鉢がいろいろ付いてくる。夜は全部で小鉢9品に主菜とぬか漬け、味噌汁とおかわり自由のご飯。最後にデザートも。


小鉢は九州的甘口ではなく薄味だがごく当たり前の家庭料理のようでいてどれもこれも美味い。前菜でいい加減満足した頃にメインの鰯のぬか床炊きとぬか漬けが登場。ぬか床炊きとは小倉の郷土料理で鯖や鰯などを醤油で炊いてぬかを入れて仕上げるらしい。ぬかのわずかな酸味も加わり普通の煮魚より数段深い旨味あり。もちろんぬか漬けも今まで食べて来たものとは段違い。当然野菜の漬かり方自体は浅いのに深〜い発酵風味。ぬか漬けってこんなに美味かったのかぁ。この鰯とぬか漬けだけでご飯何杯でもイケそう。
なんでも店主のお母さんの家系は代々小倉の小笠原藩の家老職を務めていて、その家では代々伝家のぬか床を守ってきたそうな。現在のぬか床もその末裔で、幕末に高杉晋作奇兵隊小倉城に攻め込んだ時にも持って逃げたという200年以上も生き続ける代物。恐れ入りました。昔の人は普通にこんなもの食ってたんでしょうか。凄いやニッポンの食文化。
http://www.nuka-chizuka.com/

そう言えば小倉のどぎどぎうどん屋では唐辛子入りでぬかが付いたままの強烈なぬか漬けが付き物だったっけ。ここのぬか漬けとはかなり違うけど、やっぱり小倉にはぬか漬け文化が深く根付いてるんでしょうかねえ。