阿蘇神社火振り神事@阿蘇一の宮


阿蘇一の宮阿蘇神社はなんと2300年の歴史があると言う由緒正しき神社。立派な門は日本三大楼門に数えられると言う。ちなみに他の二つは茨城の鹿島神宮と福岡の筥崎宮。おおっ、私ゃ知らないうちに全部見ていたことになる。こりゃ幸先良いいわい。って何のこっちゃ。

ここで毎年三月の二回目の申の日に行われるのが「火振り神事」。阿蘇神社から12キロほど離れた吉松宮の姫神様をお迎えする、言わば神様の結婚式。姫神さまのお神輿が阿蘇神社の参道に入るとその足元を照らすため待ち構えていた氏子や一般客がたいまつに火をつけて振り回してお迎えするのだ。

夕刻には楼門前にすでに茅の枝を束ねたたいまつが800個も積み上げられ、事前のデモンストレーションとしてたいまつの回し方がレクチャーされる。ま、言ってみればカウボーイの投げ縄みたいな要領ですな。

だいぶあたりが暗くなった夜6時40分、大阿蘇御神火太鼓の奉納が終わるといよいよ御輿入り。合図の爆竹が上がり火種のたいまつに点火される。

その後は参加希望者はだれでも自由にたいまつを取り火を点けて回しはじめてかまわない。バランスを取るためうまくたいまつの両端に火を点けなければいけないのだが慣れるまではこれがちょっと難しい。

参道はあまり広くも無いので振り回すときは周りに気をつけてと言われるが、いったん回しだしてしまえば誰も後ろには目が付いていないから自分で当たらないように注意するしかない。目の前をたいまつがびゅんびゅんと飛び回る風景はなかなかスリリング。


また回しているうちにロープが燃え切れると火のついたたいまつがハンマー投げよろしく周囲の人垣に飛び込んでいくから見てるほうも大騒ぎ。でもよくできたもんで茅の枝のたいまつって見た目ほどには熱くないんですね。

とは言えやはり火には違いないからナイロンの上着なんか来ていると簡単に穴が開きます。私も三つほど回してみたが最初はちょっと怖いもののコツをつかむとなかなか面白い。やっぱり火には何かパワーがあるもんで気分は自然と高揚してくる。こんな火遊びその辺の公園でやってたらすぐに捕まるもんね。

しかし時間が経つにつれ参道はたいまつの燃え残りがそこかしこでくすぶり続けあたかも野戦場のようだし、たいまつから上がる煙でみんな燻製状態。昔は参道だけでなく町じゅうでやってたそうで阿蘇盆地全体が火の海のようだったとか。さすが火の国阿蘇の祭りはちょっと違うねえ。

来年行かれる方はくれぐれも汚れてもいい服装で。化繊の上着は避けましょう。フリースなんてもってのほか。