安兵衛@西中洲

AND2005-12-20

こないだ藤よしに行く途中で見かけて気になっていた渋ぅ〜〜いおでん屋。戸をがらっと開けると店内は無茶苦茶年季が入り想像をはるかに超える超ド級の渋さ。もう椅子に座る以前に名店と確信ですな。
おでんのつゆは東京でよくある真っ黒いつゆをもしのぐ黒さで度肝を抜かれる。大根なんて鍋の中ではなんだかわからないくらい色が染み込んでます。まずは大根、海老芋、鰯つみれ、ロールキャベツ。もちろん見た目ほどには味は濃くなく素材の味で食わせるいい出汁。
続いてホタテ入りの自家製はんぺんに、さっと煮て絶妙のタイミングで上げる春菊、ワカメ、ネギマ(葱鮪)。


あと珍しいのは「すじ」。これはおでんじゃなくて玉葱などの野菜と一緒に塩味のスープ仕立てにしたものだけど野菜の甘味とすじ肉とがベストマッチ。これがなんと大阪の何軒かの古い下町食堂で「シチュウー」と呼ばれているものと瓜二つだから面白い。あちらではこれがご飯のおかずだったり、うどん入れたりするんだけど。

最後はぞうすいにお新香。これがまた美味いのね。量は少ないけど。

そう言や福岡では屋台でもどこでもおでんはあるけど、こういうおでん専門店ってめったに見かけないってのはちょっと不思議。
店は親子三人てんてこ舞いの忙しさだが熱燗につかう徳利もぐい飲みも出す直前にお湯で温めるとか、冷たいお茶と言われればちゃんと急須で淹れて氷のグラスに注ぐとか細かいところも素晴らしい。

しかし調子に乗って食べたし意外に高いんじゃないかと予想はしていたが写真のものに熱燗二本で約7000とは…だいたい一人で行くと高く付くもんですけどね。
ささっと飲んで帰るべき店だったみたい。やっぱり西中州って高いんですかねえ。