立川志の輔・笑志らくごLIVE


二日市は立川笑志の故郷とのことで兄弟子の志の輔をともなっての落語会。さすが地元だからか志の輔のネームバリューが効いたのか900人規模の会場は立ち見まで出る超満員。前回福岡でやった「志の輔らくご」より入ってる。
前座は志の輔の弟子、立川めんそーれ。もちろん沖縄出身。なんか沖縄づいてるぞ。ネタは「子ほめ」。
笑志は古典の「質屋蔵」。立川流以外ならとっくの昔に真打になってるはずだが、これでも真打にしてもらえないんだから談志の基準は厳しいですなあ。がんばって真打披露公演で故郷に錦を飾っていただきたいもんです。
志の輔は二席。自作の「バスストップ」と古典の「妾馬」。新作ももちろんいいけど妾馬がなんとも素晴らしい。貧乏長屋で母と暮らすがさつな大工の八五郎、殿様に見初められて側女に入っている妹がなんとお世継ぎを産んだと言うことでお屋敷に呼ばれる事に。殿様とのトンチンカンなやり取りで笑わせて、殿に気に入られて侍に取り立てられ「八五郎出世の一席でございます」というのがまあ古来からのやり方。志の輔八五郎は全く違う。何でも望みを聞いてやると言われてそれじゃあ質に入ってる道具箱を請け出してくれ。小判をつかわすと言われても、江戸っ子は宵越しの金は持たないからいらねえや、侍にしてやると言われても刀を二本差して道具箱なんか担げねえ。単にがさつなわけでも馬鹿なわけでも無く大工にプライドを持ってやがんだねえこいつは。
「母を一人残して侍になれないなら一緒に屋敷に住めば良いではないか。」「ウチのお袋は長屋の井戸端が無いと生きていけないんですよ。なんなら井戸端ごと持ってきますか?やめたほうがいい、うるさいよぅ。」
志の輔流の妾馬、最高。今日初めて落語を聴いた筑紫野市の方々はラッキーだと思います。こないだ大名跡を襲名したあの落語家を福岡市民会館で聴いてしまった方々とは天と地の差ですな。