ニュー・シネマパラダイス デジタルリマスター版@KBCシネマ

AND2006-01-29

映画館で観るのはたぶん4回目。(うち1回はいわゆる「完全版」というロングバージョン)
デジタルリマスターという事でその鮮明画像がこの映画のテーストに合うのかと心配していたけど始まってしまえばそんな事は忘れて引き込まれる。というよりエンリオ・モリコーネのあのテーマ曲聴いただけでもうすでにちょっと駄目な私。最近あの曲を生命保険のCMで使ってるけどアレはちょっと反則じゃないかしらん。
さすがに何度も観ると新しい発見がある。どうしてもノスタルジィとか映画へのオマージュで語られてしまいがちなこの映画だけど本当のテーマは逆で、人はずっと居心地のいい場所で生きていてはいけないんだっていう厳しい話なんですね。でも長い年月のあと疲れて帰ってくればその故郷はたとえ変わり果てていようともまた優しく力を与えてくれる。それだけにその元の場所はこの上なく素敵に描かれているわけですね。デジタルリマスターだけに冒頭のシチリアの海があまりにも美しくそんな事を改めて感じる。でもこんなに素敵な世界だったらここで一生くすぶっていたいくらいだけど…。それにしてもストーリーを追わずに画面の端っこの方ばかり見ているとディテールの素晴らしさが改めて実感できます。
まあこの映画に関してはいろんな方が語っているしそれ以上の事を書けるわけも無し。

でもこの映画、完全版だと観た後の印象がまた全然違うのよね。あちらの方がはるかに深い。でも重たい。気楽に観るなら短縮版の方がいい。でも最初短縮版を観て、その後完全版を観て、その記憶を持ったまま短縮版を観るのがベストなんではないかと言う仮説を今日立てました。いかがなもんで?つうわけで是非次は完全版の方もリバイバル上映して欲しいもんです。

もちろんこの映画をあまり好きではないと言う人も知ってるし押し付けるつもりは無いけれどまだ観て無い人、一度観てピンとこなかった人はぜひこの機会に。一度観て泣いた人はほっといても行くと思うけど…。