姫島盆踊り

島民はみんな顔見知り、島に一つしかない信号機も実は子供に交通ルールを教えるための教育用だというのどかな姫島も年に一度の大にぎわい。夕方からは二倍に増便されたフェリーも乗客満載。今日から島の伝統行事、姫島盆踊りが行われるのだ。


夜7時、島の各地区ごとにある盆坪と呼ばれる会場で盆踊りが始まる。姫島盆踊りと言えばキツネ踊りが有名だが実はこれは数十種類もある踊りの一つに過ぎない。いくつもの踊りの組が各地区の盆坪を巡ってそれぞれの踊りを披露するのだ。盆坪の前の公民館にはその地区の新盆の祭壇が設けられ、先祖の霊をお迎えするという本来の盆踊りの意味があらためて思い出される。






盆坪の中央には櫓が組まれ太鼓とともに盆踊り歌がエンドレスで唄われる。その同じ歌をバックに各踊り隊が入れ替わり立ち変わり舞い踊る。キツネの化粧をした子供が踊るキツネ踊りや笠をかぶった男女が静かに踊る猿丸太夫、女性と竹竿を持った男性がペアになり躍動的に踊るアヤ踊りといった伝統的な踊りの他に様々に趣向を凝らした創作踊りの数々。



タヌキ踊りや花笠やおけさといった比較的正統派なものから、忠臣蔵勧進帳、おかめひょっとこ、牛と闘牛士まで登場するカルメン、腰ミノ付けて全身黒塗りの南方系の踊り(なぜかナースも登場)まで登場し、ほとんど島の学芸会と言った様相。













全ての踊りが終了するまで3時間にも及ぶが踊り手も観客も本当に楽しそうで見ていて飽きない。可愛らしい踊りあり、美しい踊りあり、ちょっとエッチなの、ユーモラスなの、アホらしいのもあり。単なる伝統の継承だけでなくちゃんと現代に生きている祭り。これこそ日本の原風景かもね。手作り感たっぷりのい〜い祭りです。