宗像大社現地大祭@沖ノ島

AND2005-05-27

宗像大社とは全国に六千ほどある宗像神をまつる神社の総本社。交通の神様とされ、あの有名な広島の厳島神社もここの分社。ここの神様は天照大神の子にあたる三姉妹の女神でそれぞれが辺津宮(いわゆる宗像大社)、大島にある中津宮沖ノ島にある沖津宮にまつられている。本来はこの三宮を合わせて宗像大社なのだそうだ。
沖ノ島は位置的に言って朝鮮半島と日本とを結ぶルート上にあり、シルクロードや半島から日本に渡ってきたものは全てここを通過してきたと言っても過言ではない。ここからの出土品12万点は古いものは縄文時代にまでさかのぼり全て重要文化財指定、うち千数百点が国宝と言うとんでもないところ。海の正倉院と呼ばれる所以だ。(この国宝の数々は宗像大社の神宝館に展示されてます。国宝があんなにずらっと無造作に並んでるのは初めて見ました。)
またこの付近は日露戦争時、東郷元帥率いる連合艦隊とロシアのバルチック艦隊が戦った日本海海戦の舞台で今日はまさにその日から数えてちょうど100周年にあたる。
地図はこちらhttp://www.mapion.co.jp/c/f?grp=all&uc=1&scl=3000000&el=130%2F25%2F22.504&pnf=1&size=500%2C500&nl=33%2F53%2F22.781
沖ノ島は島全体がご神体で、10日交代で一人だけ泊まり込んでいる神主さんと灯台を管理する海上保安庁職員が月一回来るほかは基本的に上陸禁止。一般人が行けるのは年に一度のこの現地大祭が唯一の機会で、それも参加できるのはわずか200名あまり、しかも女人禁制。だからここに来られるというのはかなり貴重な経験なのだ。

朝6時過ぎに大島を出て2時間ほどで沖ノ島へ。見事な晴天の上、波が高かったと言う日本海海戦当日とは違いベタナギ状態で快適な船旅。大祭参加者は白装束の神道関係の方、ほら貝を手にした山伏の方、日露戦争時の軍服を着た遺族とおぼしき方、Z旗を持ったマニアックな方と多種多様。
沖ノ島に上陸したらまず初めに全員が全裸になって海水でみそぎをしなければならない。これがまあなかなかに見られない光景。テレビ取材のクルーも全員素っ裸で撮影してました。とても大きな写真は載せられないのでこのくらいで。

その後沖津宮で大祭。と言っても30分ほどで終了。しかしふだん神信心などにとんと縁の無い私もさすがにおごそかなものを感じる場所であります。

その後は2時間ほど自由行動。急な山道をぜいぜい言いながら島のてっぺん、海抜240mの灯台まで登ると360度海しか見えないまさに絶景。

山から下りたら港で直会(なおらい)。まあつまりは身を清めて神事を終えた後に俗世間に戻るための宴会と言ったものか。地元の漁師さんが獲れたての魚を料理してふるまってくれ、見た目は乱暴だが味は抜群。唐辛子のきいた小鯵の煮つけにあらかぶの刺身(と言うかぶつ切り)

それから鯵の煮汁にそうめんをぶち込んで食べるとこれがもう最高。こんな食べ方はこの直会でしかしないそうです。

12時頃帰りの船が出航。途中日本海海戦の現場に立ち寄り日露両軍の犠牲者に献花、黙祷をささげて帰途につきました。
結構疲れた。これだけ書いた私も疲れた。